2025.10.02

作業療法士のいる工務店

作業療法士って何するの?

作業療法士のはっさくゆかりです。

2025年4月から、はっさく工務店にがっつりメンバー入りし、

「作業療法士がいる工務店ですっ!」と言えるようになりました。

“作業療法士の視点”は、

リフォームや住環境の見直しにおいてとても大きな力を発揮すると考えています。

「作業療法士って何する人?」「病院のリハビリの人?」

「その知識がリフォームにどう活かされるの?」とお思いになる方も多いかもしれません。

実際にあった事例も交えてご紹介します。


作業療法士の多くが働いている場所は、

病院やクリニックなどの医療分野と、老人保健施設やデイケア、訪問リハなどの介護分野、と言えると思います。少数ですが、特別支援学校などの教育機関、行政などでも活躍しています。

病気やけが、加齢によって身体や心に変化が生じた方に対して、

その人らしく暮らす、暮らし続けるための支援を行う リハビリテーションの国家資格です。

私は、これまで、病院や施設、訪問リハなどの医療と介護の現場で働いてきました。

その知識と経験を、リフォームの分野で役立てたいと考えています。

■ あるお宅での事例:床の張替リフォーム

先日ご依頼があったのは、80代のご夫婦。お二人暮らしのお家でした。

ご主人は難病(徐々に体が動かしにくくなり、体調や認知面に日内差がある。)があり、

これまでに転倒も多く、認知機能低下も進行してきている状態。

奥様も体力の低下と慢性的な介護疲れがありました。

工事の内容は、和室・LDK・廊下・玄関の床の全面張替え

工事期間も計画では1ヶ月程度と想定され、

ショートステイの利用もご案内しましたが、

住みながら工事を進めてほしいというご希望でしたので、

お二人への負担を最小限にするために

工事内容や手順段取りなどを最大限工夫しました。

重視したこと:

 ①工事中、常に、トイレや寝室への移動の安全は確保されているか(声掛けを含む)

 ②工事中、できるだけ普段の動線を変えずに済むよう配慮

  (それぞれの生活習慣に配慮した工事の進め方をする)

 ③工事の1日の終わりには、夜間でも安心して過ごせるように動線や照明を整備(特に工事により、普段と違うところ)

 ④安全面:習慣的に開けてしまう可能性のある部屋のドアを安全に固定したり、

  工事中である旨の注意喚起の張り紙(特に床板がない状態の日)

 ⑤荷物の移動は段階的に行い、環境変化に伴う心身の負担や混乱軽減

 ⑦ご家族、ケアマネジャーさん、訪問リハさん、ヘルパーさん、と常に連携しながら計画を調整

 ⑧現場の納まりは、工事途中であっても限りなく安全であること、工期を短縮すること、を念頭に、   

 職人さんと施工方法を調整。

工事を“生活の中断”にせず、「安全を守りながら日常をつなぐ」ことを何よりも大切にしました。

一番心配していた転倒や体調を崩すといったトラブルもなく、

無事に工事を終える事ができました。

最終日に

奥様に「毎日来てもらってたから、終わるとなると寂しいね~」とのお言葉もいただき、

期間限定ですが、生活を守る・支える 一員になれたのかなと嬉しく思いました。

ご協力いただいた、お施主様、ご家族様、ケアマネジャーさん、訪問リハのPTさん、ヘルパーさん

ありがとうございました。


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作業療法士 はっさくゆかり